【映画】ノー・マンズ・ランド

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戦争映画は好きじゃない。

でも、この「ノー・マンズ・ランド」は戦地が舞台になってはいるけど、人と人、人と立場の戦いを描いたヒューマンドラマのように感じる。

舞台は1993年、ボスニア紛争のさなか。
ボスニアとセルビアの中間地点、「ノーマンズランド」に足を踏み入れてしまったボスニア軍の兵士たち。

映画が始まってすぐセルビア軍の攻撃が始まり、仲間はあっという間に殺されてしまう。

唯一の生存者、チキは塹壕に身を隠し、皆死にしたかどいかを確認しにきたセルビア兵の2人とはち合わせる。
一人はベテラン兵。死んでいた(実は気絶していただけで生きてた)チキの仲間の身体の下にジャンプ型の地雷をニヤニヤ喜びながら仕掛けるっていう、ヤな奴。彼はすぐチキに殺されちゃうんだけど。
そして残った新米兵士とチキの、2人っきりの戦争が始まる。

銃を構えながらお互いを罵る。「戦争を始めたのはお前らのほうだ!」「俺の村はお前らに焼かれた」...。
戦争がどれだけ空しいか。ただ、傷つけあってるだけだってことが、たった2人の会話からメッセージとして伝わってくる。
監督がこの戦争に参加したことのある人らしいんだけど、あえて中立の立場で描いたってのが、この会話からも見て取れる。

中立を建前に、争いにできるだけ深入りしたくない国連と、事態を嗅ぎつけ、半ば強引にスクープを撮ろうと群がるマスコミ。

チキたちを助けようとしたのに、上からの命令で撤退を余儀なくされる国連軍の兵士。
「戦争に中立などない。傍観しているだけで、参戦しているも同じだ」

小さな小さな塹壕を舞台に、派手な演出も行き過ぎた英雄ドラマもなく、ただ淡々と、戦争の虚しさだけが語られてゆく。